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お知らせ
2026/7/1
【社会課題に光を当てるSIL】
本格化する企業の障害者雇用に潜むジレンマ
一般企業で働く障害者の7割超が「キャリアの行き止まり」を感じると回答
「評価と対話の空白」の実態が調査で判明
2026年7月の法改正を前に、Social Issue Lab(SIL)がSOLITと共同で障害者インクルージョンに関する大規模調査を実施
人と社会のために問いを探究する、リサーチとプランニングを手掛けるQO株式会社(代表取締役社長:恒藤優/本社:東京都中央区、以下「QO」)は、社会課題を知るきっかけを届ける研究機関 「Social Issue Lab(以下、SIL)」の活動の一環として、インクルーシブデザインなどを専門とするPROJECT SOLIT(以下、SOLIT)と共同で、全国の企業に就労する障害のある当事者、人事担当者、および一般社員など総勢3,104名を対象に「障害者インクルージョンに関する実態把握調査」を実施いたしました。
2026年7月1日の障害者雇用率引き上げという契機に合わせ、法定雇用率の達成や法的義務をクリアすることに重きを置くことで現場に発生している構造的な弊害をデータにもとづき客観的に明らかにするため、本調査結果を公表いたします。<調査サマリー>
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一般企業で働く障害者が抱える「キャリアの行き止まり」
一般企業で働く障害者の7割超が、現在の職場でキャリアの行き止まりを感じていることが判明。業務負荷の免除という配慮の一方で、キャリアのステップアップが閉ざされた環境が生じている。 -
対話と評価の空白
一般企業で働く障害者の約6割が「定期的なキャリア面談やサポートが存在しない」と回答。企業人事への調査からも約半数は「成果よりも安定勤務(現状維持)」を望む保守的な運用に陥っており、当事者との本質的な対話が不足している。 -
企業の障害者雇用が広がる中に潜む「圧倒的な無関心と認知の空白」
一般社員の約8割が「自分の同じ職場に障害のある社員はいない(と思う)」と回答。企業がトラブルや指導負荷を避けるために業務の隔離(特例子会社化や専門部署への隔離)を進めた結果、現場での接点や相互理解が失われている実態が明らかに。
調査実施背景:障害者雇用の転換期と現場が抱える課題とは
近年、日本における障害者雇用は大きな転換期を迎えています。合理的配慮の義務化や法定雇用率の引き上げを背景に、企業における障害者雇用の「量的拡大」は着実に進展しています。民間企業における雇用者数が毎年過去最高を更新し続けていることは、これまでの行政および企業の制度的・実務的な努力がもたらした明確な成果です。しかし、こうした量的拡大という初期フェーズを通過したからこそ、次のステージにおける運用の形骸化や、受け入れ現場の「停滞」という新たな実態が浮かび上がっています。障害者就労者の定着や安定勤務が最優先されるあまり、中長期の育成プロセスや客観的な人事評価の規律から乖離し、成長の機会を奪われているというジレンマです。
本調査では、一般企業で働く障害者や作業所で働く障害者、企業人事、経営者・管理職・現場社員の多面的な視点から、この構造的課題の現在地を紐解きました。まずは速報データとして、現場の実態をあらわす3つの主要な調査結果を公表いたします。
調査結果:浮き彫りになった現場の構造的歪みと課題
(1)一般企業で働く障害者の7割超が直面する「キャリアの行き止まり感」
● 今の仕事に対して、スキルアップできる見込みがない、昇給・昇格の見込みがないなど、キャリアの行き止まりを感じる
一般企業で働く障害者に対し、自身のキャリアに対する認識を尋ねたところ、全体の72.1%がキャリアの行き止まり(これ以上の昇進や昇給、職域拡大が望めない状態)を「感じる」「やや感じる」と回答しました。さらに、中でもこうした認識を「感じる」と答えた層は41.5%に上ることも判明しました。
残業時間の免除や業務負荷の軽減といった、物理的あるいは業務的な「配慮」が提供される一方で、それが中長期的な成長や昇格のパスから当事者を乖離させてしまい、本人がその環境に沈黙せざるを得ない実態が示されていると言えます。
(2)約6割の職場で機能不全を起こしている「評価と面談の空白」
● キャリアに関する面談やサポート制度は「一切ない」
● 不足していると思う配慮
一般企業で働く障害者に今後のキャリアや働き方・スキルアップについて、上司や人事担当者と定期的に相談・面談ができる制度の有無を尋ねたところ、58.8%がキャリアに関する面談やサポート制度は「一切ない」と回答しました。また、不足していると感じる配慮について尋ねた項目では、第1位が「評価基準の透明化(明確な基準、特性を考慮した目標設計など)」で21.3%を占めています。さらに、「会社が障害者雇用ということもあり業務量を過度に絞っている。そのため今後のキャリアや賃金上昇も期待できない」「ここまで出来るようになったら昇給するという明確な基準が全く示されない」といった、評価制度の不透明さに対する切実な声が寄せられています。
(3)企業が陥る「防衛的ガバナンス」の限界と、社内に広がる「圧倒的な無関心」
一方で、障害者就労者を採用する企業側視点の調査からは別の視点も垣間見えます。企業側が当事者に対して「中長期的なキャリア」や「透明性のある評価」を提供できない背景には、組織防衛のための構造的なジレンマがあることが浮き彫りになりました。経営者あるいは人事担当者として障害者採用に関与している人へ障害者雇用における期待値について尋ねた項目では、52.3%が実態として「成果より安定勤務・ルール遵守」を重視し、49%が「ステップアップより現在の定型業務の継続(現状維持)」を望んでいることが判明しました。これは企業側に悪意があるわけではなく、実務現場でのトラブルや指導負荷、離職リスクを避けるために、安全な定型業務へ留め置く「防衛的なガバナンス」を選択せざるを得ないという、現場のリアルな葛藤を反映していると言えます。
● 障害者雇用の実態はAとBのどちらに近いですか
しかし、このリスク回避のために進めてきた単純定型業務を切り出したパッケージ化は、すでに物理的な限界を迎えていることがうかがえます。自社の障害者雇用における現在の課題を企業の人事担当者向けに尋ねた質問では、従業員5,000人以上の超大企業でも26.4%が「適切な仕事や任せる仕事がない(職域の枯渇)」と回答しており、深刻なボトルネックに直面している実態が浮かび上がりました。
さらに深刻なのは、企業が現場の混乱や管理負荷を避けるために「業務の隔離(特例子会社化や専門のバックオフィス部署への集約)」を推し進めた結果、一般社員の実に78%が、同じ職場に障害のある社員は「いない(と思う)」と回答している点です。法定雇用率の達成や法的義務をクリアするために企業が選択したリスクヘッジが、皮肉にも社内に圧倒的な無関心を生み、前述した当事者の「キャリアの行き止まり」や「対話の空白」という構造的停滞をさらに補強しているという悪循環の現在地が、企業側のデータからも裏付けられました。
● 障害者雇用における課題「適切な仕事や任せる仕事がない」
今後の取り組みについて
本調査で明らかになった「キャリアの行き止まり」や「対話の空白」という課題は、個々の企業や人事担当者の努力不足のみに帰すべきものではありません。日本の障害者雇用が、「頭数合わせの義務」をクリアするフェーズを脱し、現代的人権観に基づく企業運営と、持続可能な人的資本経営のあり方を実務レベルで両立させていくためには、まず先進企業が直面している実務上のジレンマやボトルネックを直視することが不可欠です。本共同プロジェクト(SIL×SOLIT)では、2026年7月1日の制度改正を契機に、この組織内停滞の構造を詳細に分析した「調査報告レポート」を順次公開いたします。また、実務において今まさに現場で模索し、課題に立ち向かっている人事担当者やダイバーシティ推進層の方々を対象としたオンラインセミナーや意見交換会を定期的に開催し、実務に即した客観的な知見の共有と、対話の場づくりを推進してまいります。
■ 報道関係者様向けオンラインセミナーのご案内
本調査結果の詳細なデータ解説および、これからの障害者インクルージョンのあり方を紐解く、報道関係者様限定のオンラインセミナーを開催いたします。当日はセミナー内での質疑応答のほか、後日の個別取材の受付窓口もご案内いたします。● セミナータイトル
【7月度法改正・緊急解説】大規模調査から紐解く、日本企業における「障害者インクルージョン」の構造的停滞と次なる視座● 開催概要
・日時:2026年7月28日(火)14:30-15:15・形式:オンライン配信(Zoom)
・対象:報道関係者様限定
・費用:無料
● プログラム
1.「障害者インクルージョン実態調査2026」詳細レポートの紹介(SILより)2. 有識者による解説・メッセージ(PROJECT SOLIT Founder 田中様より)
3. 質疑応答
4. 今後の取り組みの紹介
● 登壇者
恒藤 優
QO株式会社 代表取締役社長 / Social Issue Lab(SIL)所長
田中 美咲
PROJECT SOLIT(運営会社:株式会社morning after cutting my hair)代表取締役社長
● お申し込み方法
報道関係者様は、以下フォームよりお申込みください。https://zoom.us/webinar/register/WN_12LeRffoRTynJnaMWWWwMQ
■調査概要
調査テーマ: 障害者インクルージョンに関する実態把握
調査対象:総サンプル数3,104名
① 現在働いている15-64歳男女 2,000名
② 経営者あるいは人事担当者として障害者採用に関与している人 300名
③ 職場に障害者がいる人 309名
④ 一般企業で働く障害者 301名
⑤ 作業所で働く障害者 194名
割付方法:①の現在働いている15-64歳男女 2,000名は、性別・年代別・エリア別の人口動態に応じて回収
調査期間:2026年5月~6月
調査方法:インターネット調査
調査委託先:株式会社マクロミル
企画・分析:SIL、SOLIT
※調査割合は小数点第二位を四捨五入して算出しています。
調査対象:総サンプル数3,104名
① 現在働いている15-64歳男女 2,000名
② 経営者あるいは人事担当者として障害者採用に関与している人 300名
③ 職場に障害者がいる人 309名
④ 一般企業で働く障害者 301名
⑤ 作業所で働く障害者 194名
割付方法:①の現在働いている15-64歳男女 2,000名は、性別・年代別・エリア別の人口動態に応じて回収
調査期間:2026年5月~6月
調査方法:インターネット調査
調査委託先:株式会社マクロミル
企画・分析:SIL、SOLIT
※調査割合は小数点第二位を四捨五入して算出しています。
【Social Issue Lab(SIL)概要】
SILは、調査の力で社会の声なき声を拾い、社会課題を知るきっかけを届ける研究機関です。QOが培ってきたリサーチの技術や知見を社会に届けることを目指して2023年より活動を開始し、これまでに「ジェンダーギャップ」や「震災支援」「防災・減災」「誹謗中傷」「環境問題への揺り戻し」「性の多様性」「平和」「認知症」などをテーマとした調査レポートやソーシャルレターを発信してまいりました。【PROJECT SOLIT 概要】
PROJECT SOLITは、インクルーシブデザイン、障害インクルージョン、ソーシャルイノベーションを軸に、日本と世界をつなぐデザインチームとして活動しています。 企業や自治体に対し、デザイン戦略からものづくり、組織・制度設計、コミュニケーションまでを横断的に支援しています。世界三大デザインアワード「iF DESIGN AWARD 2022」にて最優秀賞GOLDを受賞。母体である株式会社morning after cutting my hairが2026年1月にB Corp認証取得。【QO株式会社 会社概要】
QO 株式会社は、人と社会のために問いを探究する、リサーチとプランニングの会社です。
博報堂のストラテジックプラニングの知見と、マクロミルのデータアセットおよびリサーチケーパビリティを掛け合わせたJV 企業として、マーケティング機会の発見、戦略策定、コンセプト開発、施策実行のPDCA まで一連のマーケティング活動に伴走します。
代表取締役社長:恒藤優博報堂のストラテジックプラニングの知見と、マクロミルのデータアセットおよびリサーチケーパビリティを掛け合わせたJV 企業として、マーケティング機会の発見、戦略策定、コンセプト開発、施策実行のPDCA まで一連のマーケティング活動に伴走します。
本社:東京都中央区京橋2-7-19 京橋イーストビル9F
設立:1965年6月
事業内容:リサーチソリューション事業、マーケティングプランニング事業
コーポレートサイト:https://www.q4one.co.jp/
Social Issue Lab:https://socialissuelab.com/
【株式会社morning after cutting my hair 概要】
代表取締役社長:田中美咲本社:東京都渋谷区代々木5-67-8
事業内容:オールインクルーシブな製品開発・企画、インクルージョンに関するコンサルティング・研修等
コーポレートサイト:https://macmh-inc.com/
RROJECT SOLIT :https://solit-japan.com/

